ちょっと聞いて欲しい。

それは数年前からの強い想いだったが、いつかではいけないので
三女が4歳の歳にもなれば女房もだいぶ楽になるだろう…、
って事で2年前の2015年の春に、明確な目標を立てた。

【海外で俺が創ったモノが通用するのか、試しに行く。】
【行き先はカナダ、ソルトスプリング島】
【2017年、春】

思い立ったその日から小まめに刈っていた髪も伸ばし始めた。
髷を結い、侍の様なスタイルで製作パフォーマンスがウケるのではないかと思った為だ。
(今から思うと、これは完全な逃げ。w 自分だけでは怖かったのだろう。
日本の歴史という大きな力に助けを求めた、ただの逃げ。ww)

そこから粛々と準備を進めていたが、去年のある日、商品を待つお客様から
一本の電話が鳴った。

「いつになったら出来ますか?不安なんですけど…。」

私は、常日頃から言っていた。
「感動してもらって、初めて仕事と言える。」…と。
それが何の事はない、不安を与えてしまっていたのである。
この言葉は、私の心をズバッと切り裂いた。
色々な思考が巡った。

(もう、続けるべきではないのか…。)
(新規注文を一切断ろうか…。)
(俺がモノを創る意味なんてあるのだろうか…。)

マイナスの思考しか湧き上がってこない。
どこかで自分の中でケジメが必要で進める事が出来なかった。

【目の前の事が出来ていないのに何が海外だ。そんなもん、やめだ。】

そして、1年以上振りに髪を切った。
諦める。
自分との約束を破る。
悔しくて涙が溢れそうになったが、これは延期なんだと自分に言い聞かせた。
そうなると猛烈に手が動き、今までの自分を取り戻した様だった。

それから数ヶ月後、11月のある日、
「来年の春、台湾でワークショップをしていただきたいのですが、いかが…」
「行きます!!」
細かい話は一切聞かず、0.2秒で返事した。

単身乗り込んで、2年後に勝負してやろう思い立った2015年春。
もちろん、全部自腹。残念だが中止。
設定と丁度同じ時期に、来てくれとオファーを頂く。
飛行機代からホテル代など、向こう持ち。

行こうとする向きは全くの真逆だが、海の向こうって事に変わりはない。
以前の様な変な力みもない。
準備は出来ている。
いつも通りやるだけ。

ただ、爪痕は必ず残して帰って来ます。